「メロン」を叫ばされ続けた日々
- MEGURU

- 12月5日
- 読了時間: 4分
前回、私についてのメールで6年生で 「私、下手じゃん」と気づいた話をしましたね。
相変わらずレッスンに通いつづけ
晴れて中学に上がる時、
K先生にこう言われたんです。
「中学のブラスは、
変な癖が付くから入らなくていいよ、 レッスンでもフルートやってるから
他のことしてみたら?」
私は中学でも吹奏楽部に入ろうかなと
思っていました。
でも、K先生にそう言われて、 私はフルートの次に好きだった
美術部に入ることにしました。
そして中学1年生になった私に K先生が言いました。 「今まであなたが子供だったから、
私も手加減してたんだけどね、 でも、もう中学生だから。
これから、本気で行くからね」
その言葉を聞いた瞬間、
ビビりました。
今までも十分厳しかったのに?! さらに厳しくなるの?!
と。
K先生は、本当に本当に厳しい先生でした。
たまに、同じ門下の同級生の子と
レッスンの前後で時間が被って
ちょっと話す機会がありました。
「ねぇねぇ、先生、怖くない...?!」
「私この前、楽語1個調べ忘れて来週から来なくていいよ💢
っていわれてさ...まじ怖い・・。。」
お互い、励まし合っていました笑。
そんなレッスンの中でも
忘れられないレッスンがあります。
当時の私は、 大人と喋るのが大の苦手でした。
自分の意見もなかなか言えないような子でした。
もちろん、表情も乏しくて 親にすら 「あんたは何を考えてるかわからない」 とよく言われていました。
今思えば根暗、陰キャという言葉が
ぴったりの中学生でした。。
当然、K先生にも同じように思われていました。
楽譜はちゃんと吹ける。 音程も合っている。 リズムも間違ってない。
でも、何かが足りない。
ある時、K先生が突然
こう質問してきました。
「あなたの好きな食べ物って、何?」
私はだいぶ考えて、 結構小さい声で、
「...メロン」
と言いました。先生が言いました。
「その言い方、全然メロンが好きそうじゃない」
私は当時、先生のことが非常に怖かったので、 レッスンの時は
まさに蛇に睨まれた
カエル状態でした。。
当然、声も小さいし、 ボソボソ喋る感じの子でした。
先生も若干、そんな私の態度に腹が立ったんだと思います。
そして、言われました。
「もっと好きそうに大きい声で!お腹から!」
なので、私はもう1回 ちょっと大きい声で、
「・・メロン」
と言いました。
「まだ小さい!」
「メロン!」
「もっと大きい声で!」
「メロン!!」
「もっと!」
「メロン!!!」
・・・はぁはぁ。。
・・・正直、何をされてるんだろうと思いました。
でも、先生が怖かったので、
言う通りにやりました。
その後、曲を吹かされました。
そして、先生が言いました。
「さっき叫んだくらい、 『この曲が好きだ』っていう
気持ちを込めて吹いて」
その時、初めてわかりました。
ああ、
これは感情表現のレッスンだったんだと汗。
他にも、
3拍子系の曲が出てきた時、
「踊ってる感じが出てない!」
と言われて、実際に狭いレッスン室で みたことすらない
ワルツを踊れと言われて
踊らされたりしました。
思春期真っ盛りの私には、 叫ばされるわ踊らされるわで 嫌だし恥ずかし過ぎた記憶があります。 きっとK先生なりに
感情を、音に乗せる。
自分の「好き」を、表現する。
それを、私に叩き込もうと
していたんだと思います。
そんな日々が毎週続き・・ 気づけば中学2年の春になっていました。 いや、よく辞めなかったな自分😅笑
5月ごろだったと思います。 K先生が突然、言いました。
「コンクールに、出ない?」
この一言がまた
私の人生を変えたのです。
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