top of page

フルートって簡単じゃん!という盛大な勘違い

  • 執筆者の写真: MEGURU
    MEGURU
  • 12月5日
  • 読了時間: 5分

みなさんがフルートを始めたきっかけ、

覚えてますか?


私は、小学校4年生の秋まで遡ります。

当時の私はおとなしくて、

教室では 「お勉強ができる子」と

認識されていました。


 

友達はいましたが、

派手なタイプではありませんでした。 



音楽以外では、

本を読むのが 好きで 



よく図書館で借りて

家で読んでいました。


 

吾輩は猫であるとか、

ミヒャエル・エンデの「モモ」

を読んでいるような、

ちょっと変わり者でした。


 

図鑑も興味があって、

特に宇宙の図鑑をよく見ていました。 



「相対性理論って、 なんだろう?」 

そんなことを考えるような子でした。 

やっぱり変わってますね笑 



実は絵を描くのも好きで、

ブラスに入る前は

画家になりたいと思っていました。 



ですがフルートとの出会いが、

私の人生を変えました。 



その始まりは

「ある勘違い」からでした。 



きっかけは、

3年生の音楽の授業で始まった

リコーダー。 


そう、日本の小学校に通っていれば

全員が通る道。


 

でも私にとって

リコーダーは特別なものでした。 


息を吹き込めば音が鳴る。 


自分の息が

そのまま 音になって出てくる。

 

その感覚が

たまらなく面白かったんです。 



音楽の教科書に載っている曲を

一通り吹きました。 




家に帰っても、

毎日リコーダーを吹いていました。



素朴な音色が、好きでした。 

だから、4年生になって部活を選ぶ時

迷いはありませんでした。 



「絶対にブラスバンド部に入る」 



私の小学校では

学校行事のたびに

ブラスバンド部の演奏がありました。 



キラキラした楽器を持って

カッコよく吹いている上級生たち。


 

その姿にずっと憧れていました。 

華やかだなぁ

私もやってみたいなぁと。 




部活に入れるのは4年生からだったので、

その日をずっと待っていたんです。


 

ただ、ブラスバンド部は

学校で一番人気の部活でした。 

入るにはオーディションがありました。 

 

オーディションとか

試験って・・・緊張しますよね。 



課題は、リズム叩きと、

リコーダーで音楽の教科書から1曲。




私はピアノも習っていたし、

リコーダーもめちゃくちゃ練習しました。



 

「大丈夫。絶対受かる」

そう自分に言い聞かせていましたが、

正直、緊張していました。 

人生初めてのオーディション会場は、

音楽室。 




顧問の先生が2人いて、

一人ずつ呼ばれて演奏しました。 




先生たちは怖くなく、

優しく見守ってくれていました。 



でも、それでも心臓の鼓動が、

ドクドクと聞こえるほど

緊張していました。 



さらにもう一つ

心配なことがありました。 



それは

仲良し3人組で一緒に受けたので、

3人全員で受かるかどうか・・・。 



合否は一人ずつ教室から呼び出されて、

知らされる形式でした。



自分の名前が呼ばれるまで、

 心臓が口から飛び出しそうでした。



「合格です」 



その言葉を聞いた瞬間、 ホッとしました。



そして、仲良し3人組、 全員合格。 


「やったー!」

3人で顔を見合わせて

笑いました。 




次は、楽器決め。



ここの記憶は少し曖昧です。 


あなたは初めて自分のフルートに

触れた時のこと、

覚えてますか? 




私は、フルートの形すら知りませんでした。 

でも、母にブラスバンド部に

合格したことを伝えたら、

こう言われたんです。 



「フルートになるといいね!」 



その言葉が、頭に残りました。 


「フルートになったら、 母も喜ぶのかな?」 

そう思って、第1希望に 「フルート」と書きました。 



そして運良く、先生から言われました。 

「あなたは、フルートね」 


初めてフルートを見た時のことは、

よく覚えています。


 

3つに分解されて

ケースに入っていました。 

ボロいケースのフタを

みちっと開けた時。 



ややカビっぽい匂いがしました。笑


 

「細っ!フルートって、 分解できるんだ...」 


リコーダーと比べたら、

メカみたいなものが

いっぱいついていました。


 

ピカピカの楽器を想像していたんですが、

まあまあ黒ずんでいました・・。 


金属を触った後の、

あの独特な手の匂い。 



それが、私の初めて出会った

フルートでした。 



最初は頭部管しか

触らせてもらえませんでした。



手に持った瞬間

リコーダーより重いな

と思いました。 

 

そして、冷たい。 

唇に当てた瞬間、

ヒヤッとしました。


 

教えてくれたのは、

6年生の三品さんという先輩でした。




丁寧で、優しい先輩でした。 

「まずはこれで音を出してみて。

フーって吹くんだよ」


そう言われました。 



「...フーって?」 




どこに向かって、

どのくらいの息を出せばいいのか

全然説明がありませんでした。 




今考えれば先生は6年生なので

教え方も何もありませんよね笑 



「えっ、えっ??」 



頭の中が真っ白になりながら、

100%勘で笑

息を吹き込みました。 



その瞬間。 



「ポーーー」 




音が、出ました。

 


一発で。 



「えっ!この子!一発で音出てるよ!すごくない?」 

三品さんが、他の部員に

声をかけているのが聞こえました。 



「...そんなにすごいのかな?」

自分では、

よくわかりませんでした。


 

でも、ちょっと恥ずかしくて、

ちょっと嬉しい気持ちでした。 




その日、フルート以外にも

金管楽器やクラリネットの

マウスピース体験もしました。


 

ですが他の楽器では

カスリもしませんでした。 



音が、全く出なかったんです。



その時、私は思いました。 



「あ〜、フルートは、簡単な楽器なんだ」 



こんな勘違いから

私のフルート人生は始まりました。 



しかしこの勘違いは

長くは続きませんでした。 



6年生になった時、

私は「ある出来事」

気づいてしまったんです。


 

「...私、下手じゃん」って。

最新記事

すべて表示
【下手くそには人権がない】という「勘違い」が始まった

全国大会の会場は 大阪の「いずみホール」。   中学2年生の時 衝撃を受けた  「小山くん」がいました。     なんという巡り合わせでしょうか。 4年ぶりの再会です。   会話はしませんでした。       向こうはもしかしたら 私のことなんて 覚えていなかったかもしれません。     彼の印象は中学生の時とあまり 変わっていませんでした。     この全国大会で  私は特別な頭部管で 吹くこと

 
 
 
ジムに通ってもフルートは上手くならなかった

高校2年の半ば。 Nさんが学校を辞めた。   「無関心の対象にされたくない」   私はこの1年、 必死で練習してきました。   高校に入って、 ムラマツから パウエルの総銀に変えました。   1年かけて、 ようやく楽器にも慣れてきました。   でも、1年生の時、 コンクールは本選で敗退しました。   楽器が重くて、 最後まで音が鳴らせなかった。   体力不足でした。   ちなみに当時の 私の

 
 
 
1日8時間練習の“常識”に感じた違和感

同じ学年でフルートに入学したのは 4人。 全員、 D先生の門下生でした。     私、 Eちゃん、 Nさん、 Sさん。 この4人で3年間を共にする。 そう思っていました。     レッスンが始まってすぐに 気づいたことがあります。       私のエチュードの進み具合が 他の3人と比べてとんでもなく速かったのです。         当時、 私は3年生の門下生と同じ エチュードをやっていました。  

 
 
 

コメント


bottom of page