top of page

自分の周りの世界の常識が、全てじゃない

  • 執筆者の写真: MEGURU
    MEGURU
  • 2025年12月27日
  • 読了時間: 4分

自分が生きている世界が正しい。

 

自分の世界の価値観が正しい。

 

自分の世界の常識が正しい。

 

そう思って生きてきました。

 

 

大学4年、夏。

 

私は浜松の楽器博物館で

学芸員実習を受けていました。

 

 

10日間の実習。

 

フルートの練習から

少しだけ離れられる時間でした。

 

 

 

実習のある日。

民族楽器についてのレクチャーを

受けていた時のことです。

 

 

学芸員の先生が、

こう言いました。

 

 

「西洋の楽器は、

 すべて平均律で調整されている。

 

 長調と短調がある。

 

 でも、民族楽器は違う。

 

多様な音階、

多様な音律がある。

 

 西洋の平均律が

『普通』だと

思っているかもしれないが

 

民族楽器の世界では、

それは『非常識』なんだ。

 

自分がいる世界の常識が

 

場所を変えれば

文化が違えば

それは【非常識】になる。

 

 

 常にこのことを

頭に入れて学びなさい」

 

 

そして、

先生はこう続けました。

 

 

「自分の頭の中の常識を捨てなさい」

 

 

 

その瞬間、

衝撃を受けました。

 

自分が生きている世界が正しい。

 

自分の世界の価値観が正しい。

 

自分の世界の常識が正しい。

 

そう思って生きてきました。

 

でも、

目線を変えたら

 

価値観も常識も

覆されるんだ。

 

そう気づきました。

 

 

当時の私は、

この学芸員の先生の

言葉を聞いて

 

「素敵な考えだな」

とは思いました。

 

でも、

それが自分の人生に

どう関係するのか。

 

じゃあ、

卒業した後に

どう仕事に活かすのか。

 

 

そこまでは

全く考えられませんでした。

 

 

 

実習中は、

いろんな大学から

来ている学生と

触れ合う時間が楽しかった。

 

 

しかし、

実習が終わって9月

 

大学に戻ったら

やはり、そこは

競争社会でした。

 

 

4年生には、

卒業試験という

一番重要な

試験が残っていました。

 

いい成績を取れれば

卒業演奏会に出られる。

 

外部のコンサートへの

推薦ももらえる。

 

私は、また

 

 

「楽器のうまさ=存在価値」

の世界に戻っていきました。

今振り返ってみると

あの時の学芸員の

先生の言葉は、

 

私にたくさんの

ヒントをくれていました。

 

 

自分がいる世界の常識が

すべてじゃない

 

 

それは、

音楽の世界にも

当てはまることでした。

 

 

「楽器がうまい=価値がある」

 

 

この考え方も、

 

 

音楽界という狭い世界の

"常識"に過ぎなかったんです。

 

 

世界を変えれば、

「上手い・下手」なんて

関係ない場所もある。

 

 

評価する人が変われば

評価も180度変わる。

 

 

ある先生からは

「下手だ」と言われても

 

別の先生からは

「いい音だ」と

言われることもある。

 

 

コンクールで落ちたのに

別の場では

絶賛されることもある。

 

 

つまり、

「上手い・下手」

という評価は

 

あくまでも

「誰かが、

ある基準で判断したもの」

であって

 

それが

あなたの

本当の価値ではない。

 

 

今、

発表会で

失敗して落ち込んでいる人。

 

 

楽団で肩身の狭い

思いをしている人。

 

誰かにマウントを取られて

苦しんでいる人。

 

もし、この文章を

読んでくれているなら

伝えたいことがあります。

 

 

あなたの価値は、

演奏技術だけじゃない。

 

 

発表会で失敗しても、

あなたの価値は変わらない。

 

 

楽団で「下手だ」と言われても、

あなたが音楽を

愛する気持ちは本物だ。

 

「上手くなければ価値がない」

 

それは、

音楽界という一つの世界の

"常識"に過ぎません。

 

 

世界を変えれば

常識も変わります。

 

当時の私は、

まだそのことに

気づいていませんでした。

 

 

学芸員実習で

こんなにたくさんの

ヒントをもらっていたのに。

 

 

まずは、

卒業試験を乗り越えなければ。

そう思って、

私は再び

音楽界の

"常識"の中に戻っていきました。

 

 

この実習での学びが

どれほど大切だったか。

 

それに気づくのは、

卒業してから、

ずっと後のことでした。

 

 

自分の頭の中の常識を捨てなさい

 

この言葉は

 

後に私が

MEGURU FLUTE ACADEMY

立ち上げる時の

 

土台になりました。


最新記事

すべて表示
暇を埋めるだけの仕事で心身を壊した

20代後半。 私は、とにかく忙しかった。   結婚式の演奏、   レッスン、   赤字のコンサート。     でも、 まだ足りないと思っていました。     フルートのレッスンは、   学校や会社が終わった 夕方以降に需要がありました。     平日の昼間は あまりレッスンの需要が ありませんでした。     「昼間も働きたい」       そう思って、 幼児の音楽教育に 興味を持ちました。  

 
 
 
1日働いて、ギャラが500円だった

大学院を卒業して、 私は 「首席なのにニート」 でした・・・。   プロオケのオーディションは、 落ちました。   大手音楽教室の採用試験も、 落ちました。   ある日、 大学院の掲示板に 音楽教室の求人が出ていました。   大手ではありませんでしたが、 縋るような気持ちで 応募しました。   採用されました。   音楽教室での仕事は、 生徒へのレッスンと、 発表会のサポートでした。   12月、

 
 
 
首席で卒業したのにニートだった

ジストニアになってから 皮肉なことに   今まで 「ノーミスでどんな難しい曲でも 完璧に吹ける私」   というものは   どこにも存在しなくなっていました。     大学院を休学しようか 迷いました。     しかし、 休学したところで 指が治るわけでもない。     だったら このまま卒業しよう。     そう決めました。     D先生にも相談しました。     「ボクはそんな状態になったこと

 
 
 

コメント


bottom of page