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幸せが舞い落ちる受験曲

  • 執筆者の写真: MEGURU
    MEGURU
  • 12月6日
  • 読了時間: 3分

前回は ソルフェージュという 壁に挑んだ話をしました。

 

中3なのに、小学生と同じクラス。

 

でも、 コツコツと努力して  「大丈夫よ」と言われるまで成長できました。

 

 

さて、 音楽高校の推薦入試には 実技試験がありました。

 

D先生が選んだ受験曲は ドンジョン作曲 「エレジー」という曲でした。

 


 

・・・またフランスものでした。

 

 

中2のコンクール本選で吹いた ノブロの「メロディー」もフランスのもの。

 

 

私、 フランス音楽と

相性悪いのかな…

と思いました。

 

 

楽譜を開きました。 そして、 驚いたことがありました。

曲の冒頭に 詩が書いてあったんです。

 

フランス語の詩。

日本語訳も載っていました。

 

 

・・・・

 

 

 

 

黄昏の空中を 最後の木の葉が

わだちへと舞い落ちていく 私の幸せも同じように!

 

 

 

・・・・・・

 

 

 




幸せ舞い落ちちゃってるがな・・・・!!

 

 



 

正直、 フルートのレパートリーとしては とても有名な曲なんですが

 

 

当時受験生の私にとって

いや、 幸せが舞い落ちる詩が 書いてある曲を受験で吹くってどういうこと😅?

 

 

ってちょっと思ってしまいました。

 

 

曲自体、 

やっぱり暗かったんです。

 

 

なんか 受験落ちそうな曲だなと 思った記憶があります。

 

 

そして、 この曲は特にテクニック的な曲でした。

 

とにかく 指が滑らないように。 同じ速度で。 

もちろん

表現力も必要だったけど

当時中学3年生が吹く曲としては レベルが高かったのかな?

と今振り返って思います。 

 

D先生のレッスンは 相変わらず基礎練習が中心でした。 

「はい、 もう一回」

「 メトロノームでしっかり練習してね」

「指。 もう一回」 

何度も何度も同じフレーズを 吹き直しました。 


そして、 レッスンは 受験曲1本だけじゃありませんでした。 

 

並行してエチュードは相変わらず 2曲ずつ暗譜で進んでいました。


 

練習する内容はとても多かったです。

 

 

K先生のレッスンでは、

 「このフレーズは どんな気持ち?」

 と聞かれていました。

 

 


でも、 D先生のレッスンは、

 「楽譜にこう書いてあるから、 こう吹く」

という感じでした。

 

D先生の言う通りに吹く。

それだけでした。

 

 

エレジーの練習は、 続きました。


幸せが舞い落ちる曲。 



でも、 吹けば吹くほど この曲の繊細な美しさが

わかってきました。 

 


暗いけど、 切ない。

哀しいけど、 美しい。 


1年経って少しずつ わかってきた気がしました。 


もしかしたら この1年で私の音楽性が 少し成長したのかもしれません。

 

 

でも、 心の中では、

「幸せが舞い落ちる」 っていう詩が やっぱり気になっていました😂

 


受験、 大丈夫かな… そんな不安を抱えていました。

 

 

でも、 D先生は、

私が音楽科に落ちる心配をしているだなんて 予想だにもしてない雰囲気で

淡々とレッスンが進んでいきました。 

私が受かるのは当然だと思っているようでした。 

 


その温度差が

なんだか不思議でした。

 

 

私は不安で いっぱいなのに

先生は全然心配していない。

 

 

私の不安は取り越し苦労なのかな? それとも、 先生が楽観的すぎるのかな?

 

 

そんなことを 考えながら、

私は エレジーの練習を続けました。

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